2009年8月2日日曜日

Webのコンテンツ販売は間違っている

いつも読んでいたプロのライターのブログの一部が有料化された。有料化すること自体は別に悪いことだとは思わない。ただ、やり方がどうにも悪い。

エントリをいつも通りに読んでいくと、記事の途中で突然「この記事は有料になったので、これこれのサイトにアクセスして料金を支払ったうえで続きをお読みください』みたいな文章が出てくる。

同じような手法をとっているWebマガジンが数多くあるので、それをまねたのだろうけど、間違っていると思う。

たとえば、スーパーに行ったとする。店員が「どうぞ」と言って食べ物をくれる。一口食べてみるとなかなかうまい。さて、ではもう一口と食べようとすると店員がその手をつかんでこう言うのだ。「無料なのは一口だけです。これ以上食べる場合は料金をいただきます。」

さて、あなたはどうするだろう? 料金を払う? 私だったら、食べ物を返し、怒って家に帰ってしまう。

スーパーでは決してこのようなことはしない。試食品はあるが、あれは量こそ少ないものの、すべて食べてしまえるものだ。客は小さいとはいえ、完結した満足感を味わうことができる。客に小さな満足感を与えたうえで、お金を出せばもっと大きな満足を得られますよ、と客を誘うのがスーパーの商売だ。

ところが、上記のブログのようなWebコンテンツの販売では、客は不満足な状態に突き落とされ、満足したければ金を出せと言われるわけだ。これじゃぁ、売れないよね。

私が唯一有料で購読しているメールマガジンがあるけど、これはやり方がうまかった。数年前から無料のメールマガジンを購読していたところ、この著者から無料のメールマガジンに加えて有料のメールマガジンを立ち上げたいというメールがきた。今メールマガジンに書いているもの意外にもネタはあるのだが、無料のメールマガジンにこれ以上時間を割くことは生活を考えるとできない。無料のメールマガジンはこれまで通り配信を続けるが、もっと多くの記事を読みたい方は有料のメールマガジンを申し込んでほしい、というものだった。

無料のメールマガジンはこれまで通りに配信されるので、読者=客はいっさい楽しみを奪われることはない。今までと同じ満足を得られる。さらにお金を払えば、もっと大きな満足が得られる訳だ。これなら少しも不愉快な気分になることはない。喜んでお金を払うことができる。

スーパーの食品販売だろうが、Webのコンテンツ販売だろうが、商売であることに何の変わりもない。いかに客に満足を与えるか、客が喜んでお金を払う状況をいかに作り出すかが勝負の分かれ目なのに、なぜWebでは客を不愉快にさせる販売方法がまかり通るのだろう。有料会員が増えないとよく聞くけど、こんな売り方をしていれば当たり前。実に不思議だ。




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