2014年9月30日火曜日

プロフェッショナルのための実践Heroku入門


すでに発売済みだが「プロフェッショナルのための 実践Heroku入門」という本を出したので、遅ればせながら紹介しておく。

この本は、日本におけるHerokuのエバンジェリストである相澤歩さんを中心に、RailsGirlsの主催者でもある万葉の鳥井雪さん、Rubyのコミッターでありベテランのライターでもあるartonさん、さらにHerokuのテクニカルサポートエンジニアである織田敬子さんを加えた4人によって執筆されたHerokuの入門書である。執筆陣からもわかるとおり、ほぼ公式といってよい内容になっている。

書評もいくつか出ていることもあり、詳しい内容については割愛するが、Herokuの概要からアプリケーション開発方法、本番環境への移行のやり方、トラブルシューティング、Herokuのアーキテクチャまでをギュッとコンパクトにまとめている。特に7章のトラブルシューティングは、実際にHerokuのオフィシャルサポートに寄せられたトラブルを元に執筆されているので役に立つこと請け合いである。また、最後の9章には、Herokuのサービスの背景になっているモダンなウェブアプリケーションを開発・運用する際に考慮する必要のあるアーキテクチャをまとめたTwelve Factor Appの翻訳が掲載されている。



さて、この本を作るにあたり、著者陣と話し合ってある手法を試している。海外のいくつかの出版社では、執筆途中の書籍をベータ版として電子書籍の形で発売し、読者のフィードバックを受けて内容を加筆・修正していくという方法が取られているが、これを日本でもやってみたのだ。

達人出版会の協力を得て、2013年5月にベータ版電子書籍を発売した。その後、2014年8月までに3回のアップデートを経て、2014年9月22日に正式版の発売となった。この間に寄せられたフィードバックを元に、加筆・修正、さらに構成の見直し等を行っている。

ベータ版の販売数が思ったほど伸びなかったとか、フィードバックを寄せてくれる読者の数が少なかったということはあったものの、実際にフィードバックを寄せてくれた読者の方々はとても熱心に細かい部分まで見てくれていて、ほんとうにありがたかった。心から感謝している。

今後日本でもこのような手法が広まるかどうかはわからないが、海外ではすでに定着しているし、有効だという手応えは感じたので、他の出版社の編集者にもぜひ採用を検討していただきたいと思う。





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