2014年6月29日日曜日

Founders at Work 33のスタートアップストーリー


気づけば、すでに25年以上にわたって編集者をやっている。これまでかなりの数の本を出してきたわけだが、そんな本の中から思い出深い本を紹介していこうと思う。まずは1冊「Founders at Work 33のスタートアップストーリー」だ。

Amazon絶賛品切れ中!




この本の原著が出版されるのを知ったのが2006年の10月、すぐに版権を取得しようとしたのだが、他社も版権取得を申し出たため入札となり、アスキーはこの入札に敗れてしまった。自分としては限界まで前払い印税を積み上げたつもりだったのだが、他社はそれを越える金額を提案したのだろう。ということで、残念なことにアスキーからはFounders at Workを出せなくなってしまった。原著は無事に2008年に刊行され、私は他社から翻訳書が出版されるのを待ち続けた。しかし、どうしたものかいつまでたっても翻訳書が出版されない。

いったいどうしちゃったんだろうと思っていたところ、2010年のFrankfurt Bookfairで原著版元の版権担当者から「Founders at Workの版権を取得した出版社が刊行を中止したので、アスキーで版権買わない?」と言われてびっくり仰天! いったいどういうことだと版権担当者を問い詰めても「そんこと言われたって知らないよ、わけがわからないのはこっちだよ」と言うばかり。まぁ、とにかくこれはチャンスだと、すぐさま企画を通して版権を取得した。翻訳は実績のある長尾高弘さんにお願いし、2011年の8月末には店頭に並べることができた。


さて、ではそうまでして出したかったFounders at Workがどんな本かというと、IT系ベンチャー企業のスタートアップ時に何か起きていたのかを創業メンバーにインタビューしてまとめた読み物だ。こう書くと単なるビジネス読み物だと思うかもしれないが、そうじゃない。この本の肝は、著者のJessica Livingstonだ。彼女は何者か? なんと「ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち」の著者として、またベンチャーキャピタルY Combinatorの創業者としても知られるPaul Grahamの奥さんだ。彼女はY Combinatorの共同創業者でもある。Paul Grahamの奥さんが書く本が、ただのビジネス書なわけがない。そう直感して、この本をアスキーから出すことを決めた。

本書の序文はもちろんPaul Grahamが書いている。ここで彼は、初期のスタートアップが一般に信じられている企業のイメージから大きくかけ離れていること、スタートアップが通常の企業よりもずっと大きな生産性を持っていること、だがそのことを知っている人はほんの少数しかいない、ということを述べている。彼自身もスタートアップを成功させ、ベンチャーキャピタリストになった人物だ。少し序文から引用しよう。


私たちが作ったスタートアップでは、外からお客さんが来るときには、自分たちが「プロフェッショナル」っぽく見えるようにあれこれ努力したものだ。事務所の掃除をして、いつもよりよい服を着て、世間一般の勤務時間に合わせて多くの人々が集まるように調整をしたのである。実際には、きちんとした服を着た人間が世間並みの勤務時間にきれいなデスクで作業をしても、プログラミングは進まない。ひどい服装の(私はタオル一枚でプログラミングをするというので悪名が高かった)人間が、ゴミだらけの事務所で午前2時頃にするから進むのだ。


このPaul Grahamの文章を読めば、プログラマが成功するためになすべきことは何かすぐにわかる。真夜中に全裸でプログラミングだ! 必要な物は股間を覆うタオル一枚だけ。今夜からすぐに実践できるだろう(笑)。

冗談はさておき、本書が目指しているのは、世間からはデタラメにしか見えないスタートアップの状態こそが、最も高い生産性を発揮できるのだということを世間に知らしめることだ。真のスタートアップの姿を知るほんの少数の人たちと、一般の企業しか知らない大多数の人たちのギャップを埋めることが本書の目的である。序文の最後の文章を引用しておく。



スタートアップが会社っぽく見えるように努力をするのではなく、既存企業がスタートアップ風に見えるように努力する時代がすぐにやってくるだろう。それはよいことだ。


この本は、ぜひともプログラマに読んでほしい本だ。インタビューを受けている大半の人物は、プログラマでありエンジニアであって、経営者ではない。プログラマであれば、彼らのインタビューから数多くのことを感じ取り、また学ぶことができるだろう。下記に本書で取り上げられている33のインタビューを簡単にまとめておく。


  1. Max Levchin, PayPal創業者

    インターネット上の送金システムの定番となったPayPalの話。もともとは送金システムに興味があったわけではなく、暗号とセキュリティに興味があった。結果的にそれがインターネット上での安全な送金システムを可能にしたという。

  2. Sabeer Bhatia, Hotmail共同創業者

    企業に在籍しながら、独立起業するために個人用データベースソフトの開発を行っていた際、在籍していた会社がファイアウォールを張ったおかげでメールを見ることができなくなってしまった。この問題を解決するためにWebブラウザから電子メールにアクセスできるようにするというアイデアが浮かんだ。

  3. Steve Wozniak, Apple共同創業者

    言わずと知れたAppleのSteve Wozniakのインタビュー。Apple創業前の話も数多く出てくる。アルテアをホームブリュー・コンピュータ・クラブで見た際、すでにアルテアと同等のコンピュータを自分用に作っていた、ただしマイクロプロセッサがなかったので複数のプロセッサを組み合わせて利用していたという。すべてを独学で学んだこと、Basicの開発、Apple IそしてApple IIの開発など興味深い話が多い。一部引用しよう。


    アップルIIはこれらのものをすべて持っており、バグは1つも見つかっていません。ハードウェアにもソフトウェアにも1つのバグもないのです。


  4. Joe Kraus, Excite共同創業者

    今はGoogleの一人勝ちになっているインターネットの検索エンジンを開発した会社。Microsoftが買収を提案しながら、結局買収もせず、検索エンジンの自社開発もしなかった話、エスケープ社のブラウザのデフォルト検索エンジンに選ばれる話など、興味深い。

  5. Dan Bricklin, Software Arts共同創業者

    世界最初のスプレッドシートソフトウェアであるVisiCalcの開発秘話。VisiCalcのアイデアが「数字を操作できるワードプロセッサ」だったとか、「多くの人々は、スプレッドシートは行と列だと思っていますが、実際には違います。スプレッドシートは、単語と数値の2次元レイアウトなのです」といった発言には興味深いものがある。大成功を成し遂げたあとに、訴訟によって没落していく姿はちょっとせつない。

  6. Mitchell Kapor, Lotus Development共同創業者

    VisiCalcの後に世界を席巻したスプレッドシートソフトウェアであるLotus 1-2-3の開発秘話。Mitchell KaporがVisiCalcの作者たちと知り合いで、なおかつ彼らのソフトウェア開発を手伝っていたというのには驚いた。ある意味、Lotus 1-2-3はVisiCalcの改良版だったわけだ。インタビューの後半はLotusが成功した後に経営者として苦悩した話になっている。Lotus 1-2-3のルック・アンド・フィールをコピーしているとして他社を訴えた件については今でも後悔していると述べている点に、彼の人柄が感じられる。

  7. Ray Ozzie, Iris AssociatesおよびGroove Networks創業者

    Ray Ozzieと言えば、Lotus Notesの開発者として、またMicrosoftでBill Gatesの後任として主席ソフトウェア設計者(CSA)になった人物として有名だ。ここでは、Lotus NotesとGroupという2つのコラボレーションツール開発の話をしている。

  8. Evan Williams, Pyra Labs/Blogger.com共同創業者

    このインタビューには出てこないが、Evan Williamsと言えば現在ではTwitterの共同創業者として知られている人物だ。典型的なシリアルアントレプレナーと言える。プロジェクト管理用コラボレーションソフトウェアを開発している際に社内ツールとして作ったものが後にBloggerになった。さまざまな理由から資金がつき、社員を全員レイオフして、運転資金をBloggerのユーザから寄付してもらうなど、興味深い話が多い。

  9. Tim Brady, Yahoo!最初の社員

    Yahoo!の共同創業者であるJerry Chih-Yuan Yangの大学時代のルームメイトで、Yahoo!のビジネスプランを書いた人。競合他社との競争やサーチエンジン採用、初期の頃に停電に対応するため発電機を借りてきてサーバを維持した話など。

  10. Mike Lazaridis, Research in Motion共同創業者

    日本では結局メジャーになれずに終わったブラックベリーを開発したのがRIMだ。高校でプログラミングと無線について学んだ際に、教師から「コンピュータと無線を結びつけるのが次の大きな仕事だ」という話を聞いていたというのは興味深いエピソード。ブラックベリー開発初期の話で、

    市場がまだブラックベリーを受け入れられる状態になっていないことを知っていたので、市場に合わせるための仕事に大量の時間を注ぎ込みました。後にブラックベリーになるものにページャー(日本のポケベル)のふりをさせたのです。

    というのは、聞けば当たり前の戦略のように思えるが実際にはなかなかできないことだろう

  11. Arthur van Hoff, Marinba共同創業者

    Sun Microsystemsからスピンアウトしたベンチャーの話。彼らがSunをやめる際、CEOのScott G. McNealyはこう言ったそうだ。「わかった。みんなが出て行ってしまうので、君たちの幸運を祈ることはできないが、1つだけ言いたいことがある。ぶざけんなよ。」創業時の女性CEOばかりがマスコミから注目されて困ったという話もおもしろい。

  12. Paul Buchheit, Gmailの作者

    Googleの23番めの社員で、Gmailを作ったプログラマ。有名な「邪悪になるな(Don't be evil)」という標語を提唱した人でもある。Gmailの最初のバージョンは彼が一人で1日で作ったそうだ。Googleアドセンスのプロトタイプも一人で1日で作ったとか。また、当時のGoogleは自分たちがサーチ専門の会社だと思っていて、Gmailのような製品を作ることには懐疑的だったという話も興味深い。

  13. Steve Perlman, WebTV共同創業者

    会社を立ち上げたばかりの頃には、2日間ぶっつづけに働き、4時間寝て、また2日間働くという生活で、事務所はまるで豚小屋だったとか。ソニーのCTOにプレゼンする際に、ぎりぎりまでクラッシュばかりしていたプログラムを再ビルドしたものがたまたまうまく動いたとか、ベンチャーらしい逸話が多い。

  14. Mike Ramsay, TiVo共同創業者

    最初のアイデアはホームネットワークサーバだったが、時期尚早と考え、DVRにまとを絞って開発したという。一般のユーザにもっとも高い評価を得たのは、放送中の画面を一時停止できる機能だったとか。最初はメディア企業から敵とされたものの最終的にはうまくやれたというのだが、なぜうまくいったのかは「今になってもよくわからない」とか。

  15. Paul Graham, Viaweb共同創業者

    夫であるPaul Grahamへのインタビュー。オンラインストアをWeb上で簡単に構築できるストアビルダーを開発したViawebの話。この後、ViawebをYahoo!に売却して得た資金をベースにY Combinatorを始めることになる。最初のプロトタイプは、共同創業者であるRtmのアパートで夏の真っ盛りに2日間で完成させたという(タオル一枚だったかも)。このプログラムはWeb上で動作する最初のアプリケーションであり、そのアイデアはX Window Systemからきているそうだ。つまり、ブラウザをX端末として使うというもの。Paulのインタビューはハッカーらしい発言が多くておもしろい。「Windowsソフトウェアというのは、でかくてほかほかしているウンコのようなもので避けるに越したことはないと思っていました」とか「ビジネスパーソンのなかの1人が本当にCEOになって、私たちに戦略はかくあるべきなどと命令する気になったらたいへんです。彼らはコンピュータについて何も知らないので、私たちはボロボロになってしまいます」とか。最後にもう1つ引用しておく。「私たちがフレッド・イーガンを見つけたときにも、買収したいという会社が現れました。それは日本企業で、後に私たちのソフトウェアの模倣品を作って、日本で大成功を収めています。名前は楽天です。」

  16. Joshua Schachter, Delicious創業者

    ソーシャルブックマークサービスの草分けであるDeliciousの話。タグ付けというアイデアを思いつき、最初に実装したという。ニューヨークの銀行や金融機関には優秀なハッカーが多くいる、という話も興味深い。

  17. Mark Fletcher, ONElist/Bloglines創業者

    今はもうなくなってしまったBloglinesの話。ニュースアグリゲーターであるBloglinesは、ブログが始まったのとほぼ同時に作られたという。ブログがこれほどのスピードで普及するとは考えていなかったそうで、幸運としか言いようがないとか。投資家から「私はコミュニケーション能力が低いという烙印を押されていました」というのはプログラマにはありがちな話か。

  18. Craig Newmark, craigslist創業者

    craigslistは、サンフランシスコから始まった、広告などのローカル情報を掲際するコミュニティサイトだ。もともとはCraigが配信していたメーリングリストだった。他のスタートアップとは異なり、craigslistは投資家からの投資を拒否し、株式の非公開を貫いている。

  19. Caterina Fake, Flickr共同創業者

    元々はオンラインゲームを開発していたが、このゲームに付加した写真共有付きのチャット機能がゲーム以上に人気を博したことからオンラインゲームをほったらかして、写真共有コミュニティサイトを作った。タグ付け機能がFlickrの性格を革命的に変えたという。女性だという理由で差別されることもあったようだ。

  20. Brewster Kahle, WAIS/Internet Archive/Alexa Internet創業者

    WAISはWeb登場以前に作られたインターネット・パブリッシング・システムだった。また、インターネットをソフトウェアの流通システムとして考えた最初の会社がWAISだった。フリーソフトウェアをうまく使っている点も興味深い。Alexaを作ったとき、彼はインターネットのサーチエンジンはスケールしないと考えていたそうだ。そのため、Alexaをインターネットの道案内として構築しようとしたと。さらに、ネットの図書館としてInternet Archiveを非営利団体として作り上げている。

  21. Charles Geschke, Adobe Systems共同創業者

    ゼロックスのPARCでInterpressというプリンタ用の言語を開発したが、ゼロックスがこれを商品化しなかったためAdobeを創業してInterpressの後継言語であるPostScriptを開発した。ゼロックスの経営陣は「ゼロックスでは、製品を出すまでに少なくとも7年はかかる」と言ったそうだ。Adobeというのは、彼の家の裏を流れていた川の名前だ。スタートしたばかりの頃に、最初に作ったビジネスプランに従おうとしてPostScriptをソフトウェアとして販売しようとしなかった話はおもしろい。このビジネスプランを変更したおかげで、Appleのレーザーライターが完成する。当時、Apple最強のコンピュータと呼ばれたプリンタだ。ここにアルダスのページメーカーが加わって、DTPが始まることになる。さらにレーザーライターとPostScriptの力を引き出すソフトウェアとして、IllustratorとPhotoshopが開発される。Apple、Microsoftとのビジネス上の逸話も興味深い。

  22. Ann Winblad, Open Systems/Hummer Winblad共同創業者

    PC以前のミニコンピュータ用の会計システムを開発した。ミニコンピュータが市場から消えた後には、PC用の会計システムに移行している。初期のMicrosoftのBasicは会計システムを作るには弱すぎたので、他のインタープリタを使ったそうだ。

  23. David Heinemeier Hansson, 37signalsパートナー

    DHHの名前で知られるRuby on Railsの作者だ。Rails開発の話も含め、37signalsでの仕事ぶりが語られる。37signalsはexitを目指していないため、スタートアップではない。むしろスモールビジネスを目指す企業だろう。37signalsについては「小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則」に詳しい。

  24. Philip Greenspun, ArsDigita共同創業者

    成功したスタートアップが、投資家と揉め、裁判になったあげくに結局は倒産してしまう話。日本にもこの手の話はすくなくないが、読んでいてつらい話しだ。

  25. Joel Spolsky, Fog Creek Software共同創業者

    Joel on Software」の著者として知られる人物。コンサルティング会社をまず成功させ、そのコンサルティング会社の中にソフトウェア会社を作るというアイデアを実現しようとした。プログラマがスターになる会社を作りたかったという。Fog Creekは社外からの投資を受け入れず、株式の非公開企業として続いている。

  26. Sephen Kaufer, TripAdvisor共同創業者

    TripAdvisorは、ユーザーのレビューを投稿として受け入れるオンラインのトラベルコミュニティとして世界最大のものになっている。自分自身の旅行の経験から、旅行に必要な情報を手軽に集められる旅行に特化したサーチエンジンを開発した。データベースはWebをクロールするのではなく、雑誌などから手作業で情報を集めて構築したという。ユーザーが書き込むレビューと旅行業者の問題なども興味深い。

  27. James Hong, Hot or Not共同創業者

    Hot or Notは、ユーザーが投稿した自分の写真に他のユーザーが点数をつけてホット度を評価するというもの。最初は遊びで始めたが、初日からアクセスが殺到し、スケールさせるために多大な苦労を強いられることになる。Hot or Notをはじめてから、あまりルックスを重視しなくなったというのはおもしろい話だ。

  28. James Currier, Tickle創業者

    ビジネススクールの授業で性格テストを受けた際、その後2週間にわたって授業を受けた生徒たちが性格テストについて話をしているのを見て、性格テストは強力なメディアになると考えた。そして、性格テストを道具にデジタルメディア会社を起業する。

  29. Blake Ross, FireFox作者

    Netscapeでインターンシップとして働いたとき、まだ14歳だっという! FireFoxがInternet Explorerに対抗するものではなく、AOLによってねじ曲げられたNetscapeに対して、本来だったらこうなったはずだというブラウザとして作られたというのは興味深い話だ。FireFoxの元のプロジェクト名であるフェニックスは、Netscapeの灰からの再生を目指してつけられたという。

  30. Mena Trott, Siz Apart共同創業者

    ブログソフトの定番として一世を風靡したMovableTypeの作者。フリーソフトウェアとして公開していたがゆえに起こる問題などについても語られている。

  31. Bob Davis, Lycos創業者

    カーネギーメロン大学で開発されたサーチエンジンを買収して創業された企業。Lycosはブランドの確立に力を入れ、インターネットの初心者ユーザーに道順を示す存在になろうとしたという。

  32. Ron Gruner, Alliant Computer Systems共同創業者/shareholder.com創業者

    Alliantで並列スーパーコンピュータを開発し、Alliantが倒産した後に業務プロセスの自動化を目指してshareholder.comを起業した。並列スーパーコンピュータ開発の話と、後に倒産にいたる話はなかなか興味深い。

  33. Jessica Livingston, Y Compinator共同創業者

    著者本人のインタビュー。今では、IT業界で最も有名なベンチャーキャピタルになったと思われるY Combinatorの起業時の話。この本の執筆開始と同時期に起業していたというのにはちょっと驚く。Y Combinatorのコンセプトは、少数のスタートアップに投資をして、法的に会社として成り立っていけるようにすることだという。つまり、創業を助け、製品についてともに考え、もっと多額の資金を援助できる投資家に彼らを紹介することだ。Y Combinatorが起業家たちとどのように仕事をしているかについても、触れられている。Y Combinatorについては「Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール」を読むのがいいと思う。



さて、簡単だが取り上げられているトピックの紹介を終わろう。プログラマの諸君、タオルの用意はできているかな?(笑)次は君の番だよ!





2014年6月24日火曜日

「フルスクラッチから1日でCMSを作る シェルスクリプト高速開発手法入門」刊行!




シェル芸の伝道者こと元USP研究所の上田隆一さん、FreeBSDの使い手であり和太鼓の演奏者でもある後藤大地さんの共著である「フルスクラッチから1日でCMSを作る シェルスクリプト高速開発手法入門」をついに刊行する。7月2日発売!

Amazon絶賛予約受け付け中!




この本は、私が今まで作ってきた本の中でもかなり異色な本といえる。なにせ著者の上田さんが謝辞に「このような掟破りなものを出版する機会を作っていただいた......」などと書いているくらいだ(笑)。簡単に内容を紹介すれば、シェルスクリプトを使ってCMS(Content Management System)を作っていく過程をステップバイステップで解説した本、ということになるが、単純にソースコードを掲載してその動きを説明したものではない。たとえば、CMSに必要なデータをテキストファイルとしてファイルシステム上にどのような形で構築するのか、その際にプログラマが何を考え、どのように判断するのか、という思考過程がちゃんと書き込まれている。

また、単に動くものを作るだけではなく、パフォーマンスを計測して改善するという点についても解説されている。このとき、テスト用のダミーデータをシェルスクリプトで作る方法についても述べられていて、なかなかに実践的だと思われる。

ちなみに本書で解説しているbashCMSというCMSは、実際にUSP友の会のWebサイトで使われているものがベースになっている。シェルスクリプトの解説のために作られたサンプルではなく、実運用を前提に作られたプログラムの内容を解説しているわけだ。bashCMSはGithubで公開されており、MITライセンスが設定されているのでだれでも自由に使うことができる。


これだけだと、よくできた普通の解説書のように思われるだろうが、そうじゃない。たとえば、普通のシェルスクリプトの入門書に丁寧に説明されているwhileやらforなどのループ処理について、「そんなもの使うんじゃねーよ」と書いてある(かなり乱暴にまとめているので誤解なきよう)。さらに、通常であれば、似たような機能が複数箇所で必要になったら関数にまとめましょう、とこれまた丁寧に説明されているものを、「関数なんかにまとめずコピペしようぜ」と書いてある(繰り返しますがかなり乱暴なまとめです)。さらにさらに、普通の解説書ならば、プログラミングする際にはソースコードの再利用を必ず考えましょう、と書かれているはずだが、本書には「コードを再利用するより書き直したほうが早いだろ」と書いてある(同上)。

正直、読んでいてたまげた。私は二十数年間にわたってIT系の編集者をしているが、今までは「プログラムの構造化は重要です」とか、「情報隠蔽とカプセル化を用いてプログラムの部品化を進めましょう」とか、「同じようなコードがあちこちに出てくるのは典型的な悪いコードです」とか、そんなことが書いてある本を作ってきたのだ。まさかこんなことが書いてある本を出すことになろうとは、思いもしなかった。人生なにが起こるかわからない。

どうして著者の上田さんが上記のようなことを書いているか知りたくなったら、ぜひとも本書を読んでほしい。きっと、目からウロコが落ちまくるか、あるいは間違った考えに洗脳されるに違いない(笑)。

とにかくこの本は読んでいて楽しいので、シェルスクリプトが好きな人、UNIX好きな人にはお勧めだと言える。私が特に好きなのは、6章の「シェル芸でログの集計」という章だ。ここでは、長いシェルスクリプトを作る際に、1つ1つの機能をまずはワンライナーとして実装し、その動きを確認しながらシェルスクリプトを組み上げていく過程が解説されている。名人の技が次々と開陳されていくのを眺めているようで、実に楽しい。ぜひ一度目を通してほしい。

あと、お勧めなのが、章末に入っている後藤大地さんのコラムだ。UNIX系OSのディープな部分にちょっぴり踏み込んだ、興味深い話が展開されている。inodeを使い切る話とか、ディスクキャッシュを利用したシェルスクリプトの書き方とか、実におもしろい。


本書を編集して、改めてシェルスクリプトの強力さ、UNIXのソフトウェアツールという考え方のすばらしさを痛感した。まずソースコードが短い。当たり前といえば当たり前なのだが、他のスクリプト言語ではこうはいかない。ソースコードが短ければ、それだけ理解しやすくなるし、作る時間も短くてすむ。これは他の言語にはない、シェルスクリプトの大きな大きな利点だ。また、データをRDBMSなどに収録せず、テキストファイルとして保持する手法についても、データ構造のわかりやすさ、そしてデータをプログラムから操作する際の柔軟さという点で、感心させられた。

なんかもう他の言語なんていらないじゃん、プログラム作るなら全部シェルスクリプトでいいじゃんみたいな気分になっている。どうもシェル芸人上田隆一に洗脳されてしまったらしい(笑)。

さてさて、名著と呼ばれるか迷著と呼ばれるか、怖いもの見たさあふれる方はぜひ本書を手にとって見てほしい。では、最後に上田さんが「怖いもの見たさあふれる人」に送った言葉を引用して本エントリを終わりたいと思う。

こわくないよ。



2014年6月19日木曜日

改訂新版 コンピュータの名著・古典100冊





昔インプレスから出ていた「改訂新版 コンピュータの名著・古典100冊」という本があるのだけど、達人出版会から電子書籍の配信が始まったらしい。facebookでこのお知らせを見て、ちょっと思い出したことがあるので書いておく。まぁ、つまらない自慢話なので、読まないほうがいいかも。

この本は、すでに他界された東京大学名誉教授の石田晴久先生が中心となって、コンピュータ名著読書推進委員会のメンバーとともに、コンピュータ分野に興味を持つ若いエンジニア・大学院生・大学生・高校生の読書の指針となるよう、100冊の良書を選んで紹介したというものだ。

紹介されている100冊のうち、21冊がアスキーの本で、これは他の出版社に大差をつけてのダントツトップ。まぁ、老舗の面目躍如というか、過去の栄光というか、嬉しいようなとっても哀しいような、複雑な気分になる。

で、この21冊のうち8冊が私が企画して出した本だ。「なんだつまらん」という声が聞こえてきそうだけど、まぁそう言わずに。下記にあげたのが、私が企画した本のリストだ。全部翻訳書なのがあれだし、編集長職が忙しくて実際の編集作業を部下にまかせたものも入っているけど、細かいことは気にせずに紹介しておく。



  1. UNIXの1/4世紀 (Ascii books)

    これは、UNIX業界の歴史を描いた珍しい本の翻訳。内容はおもしろいのだけど、翻訳に若干問題があって何人かのUNIXハッカーから怒られた。申し訳ございません。

  2. フリーソフトウェアと自由な社会 ―Richard M. Stallmanエッセイ集

    これを出した当時、アスキーはFree Software Foundationの日本における公式の出版社で、この本もその流れで出版したもの。Stallmanのエッセイで、Free Software/Open Sourceに関わる人にはぜひ読んでもらいたい本。早く電子書籍を出さないとなぁ。

  3. ハッカーズ大辞典 (Ascii books)

    Eric S. Raymondが編纂したThe New Hacker's Dictionaryの翻訳版。数多くの技術者から、海外の文献やブログを読むときの必需品だと言われた本。

  4. Lions' Commentary on UNIX (Ascii books)

    UNIX Version 6のカーネルソースコードに1行ずつコメントをつけて解説したという幻の本の翻訳書。この本については、いろいろ思い出があるので、いつかブログに書こうと思う。

  5. プログラミング言語C++ (アスキーアジソンウェスレイシリーズ―Ascii Addison Wesley programming series)

    言うまでもないビヤーン・ストラウストラップのC++本。これは第3版だが、第4版は別の出版社から出るはず。

  6. プログラミング作法

    カーニハンとパイクによるプログラミングの指南書。日本語タイトルの「作法」は普通に「さほう」と読む。木村泉先生が翻訳した「ソフトウェア作法」では「さくほう」と読ませているが、編集部でタイトルを決める際、私が「ソフトウェア作法」を読んだことがない人でも読めるように「さほう」に決めた。

  7. 文芸的プログラミング (ASCII SOFTWARE SCIENCE Programming Paradigm)

    クヌースのLiterate Programmingを含む論文集の翻訳書。この本を作る際、スタンフォード大学を訪ねて、クヌース教授に会って話せたのはいい思い出。

  8. The Art of Computer Programming (2) 日本語版 Seminumerical algorithms Ascii Addison Wesley programming series

    同じくクヌースのThe Art of Computer Programmingの翻訳書。当時のアスキーで、この本を出したことが評価されて社長賞をもらったんだよなぁ。う〜ん。



以下のリストは、私が企画した以外のアスキーのタイトル。



  1. ワークステーション原典

  2. インターネットの起源

  3. 新装版 計算機屋かく戦えり

  4. アラン・ケイ (Ascii books)

  5. 実録!天才プログラマー (マイクロソフトプレスシリーズ)

  6. マイクロソフト―ソフトウェア帝国誕生の奇跡

  7. ビーイング・デジタル―ビットの時代

  8. やさしいコンピュータ科学 (Ascii books)

  9. はじめて読むマシン語―ほんとうのコンピュータと出逢うために

  10. オブジェクト指向スクリプト言語 Ruby (ASCII SOFTWARE SCIENCE Language)

  11. UNIXプログラミング環境 (海外ブックス)

  12. TEX(テック)ブック―コンピュータによる組版システム (アスキー・電子出版シリーズ)

  13. プログラミングWindows第5版〈下〉Win32 APIを扱う開発者のための決定版! (Microsoft Programming Series)



ちなみに「改訂新版 コンピュータの名著・古典 100冊」には、版元であるインプレスの本は1タイトルも選出されていない。これ、豆知識ね。






2014年6月11日水曜日

ヤングギター創刊45周年記念特別増大号がすごい!



自分が担当している書籍も無事に入稿したので、久しぶりに本屋さんの棚を眺めていたところ「YOUNG GUITAR (ヤング・ギター) 2014年 07月号」が目についたので手にとったところ、やたらに分厚い。私の記憶にある厚さの2倍以上もある。この雑誌不況の時代にどうしたことかと思ったら、創刊45周年の記念特別増大号なんだとか。ヤングギターが45年も続いている雑誌だとは知らなかったが、とりあえずおめでたいので買ってきた。



で、久しぶりにヤングギターを読んでみたのだけど、これがすごい。まず表紙のギタリスト。誰かと思ったら高崎晃だよ。いつのまに髪の毛短くなったんだ? 金髪だし。最初の特集記事ももちろん高崎晃のインタビュー。う〜ん、なんか新作「ザ・サン・ウィル・ライズ・アゲイン~撃魂霊刀:デラックス・エディション(初回限定盤)(DVD付)」を出して、もう一度ラウドネスで世界進出を図るとか、元気でがんばっているのはいいんだけど、数十年前に同じようなことを聞いたような気が......。まぁ、いいか。

次の記事はアーチ・エネミーだ。こちらも新作「ウォー・エターナル (初回限定盤)」を出したということでギタリスト二人にインタビュー。ずいぶんメンバーチェンジがあったみたい。そう言えばアーチ・エネミーって聴いたことがなかったなぁと思ってYouTubeで聴いてみたけど、女性ボーカリストがデスヴォイスをかましたので、すぐに止め。デスヴォイスは趣味に合わん。

次の記事がまたびっくり。ブライアン・セッツァーじゃないか! 年取ったなぁ、彼がデビューしたときは若者が流行遅れのリーゼントをきめてロカビリーをやるというので、話題になったけど。ロカビリーをやってもなんの違和感もないおっさんになっちゃったなぁ。

次はTOTOだ! スティーブ・ルカサー少し太った? 久しぶりに「TOTO IV~聖なる剣」でも聴こうかな。Africaが聴きたいな。

お次はカーカスだけど、私は聴いたことないな。なんでも昨年リリースした「サージカル・スティール」はメタル史上に残る傑作だとか。今度聴いてみよう。

ジョン・メイヤーの来日公演レポートは1ページしかない。若手ブルースギタリストと言っていいのかな? ジョン・メイヤーも以前から気になっているギタリストだけど、まだ真剣に聴いたことがない。最新作は「Paradise Valley」かな。

次はナイト・レンジャーだよ、ナイト・レンジャー! まだがんばっているんだ。新作「ハイ・ロード(初回限定盤)(DVD付)」出してるよ!

次の記事でぶっとんだ! ジョニー・ウィンターだよ! まだライブを演っているんだ。記事のなかに「立って演奏ができなくても、歩く姿は弱々しくても、一度ギターを手にすればその追求をやめることはない」とか書いてある。それでも新作「STEP BACK」を今年9月に出すとか、すごいな。この新作にはエリック・クラプトン、ジョー・ペリー、ジョー・ボナマッサなどがゲスト参加しているとか。これは聴かないとだめだ。しかも、彼のドキュメンタリー映画「JOHNNY WINTER: DOWN & DIRTY」が完成したそうで、レディー・ガガも参加した上映会ではスタンディング・オヴェーションが起きたとか。この映画、日本でも上映してくれるのかなぁ。絶対上映してほしい、見たい!

お次は、スキッド・ロウ。「往時と変わらぬアグレッションとより円熟味を増した」って、そりゃああいつらは変わらないよ。最新作は「United World Rebellion-Chapter One」で、3部作の第1弾だそうな。

続いてブラック・スター・ライダーズ、知らないなぁと思ったら、シン・リジィの変名バンドだとか。全然知らなかった。フィル・ライノットが死んで、リジィは完全に終わったと思っていた。スコット・ゴーハムがギターを弾いているよ。以前フィル・ライノットの生誕何周年だか、没後何周年だかのイベントにでたスコット・ゴーハムの演奏がヘロヘロだったという噂を聞いたのだけど、だいじょうぶなのか?

次はジェフ・コールマン、よく知らない。

で、NAONのYAON 2014のレポート。これって、SHOW-YAがプロデュースしている女性ロッカーのイベントだよね。いろいろ出ているけど、知らない人ばっかりだな。「貫禄に満ちたSHOW-YAの演奏」って見出しがあるけど、そりゃあ貫禄あるでしょう。久しぶりに「限界LOVERS」でも聴くか。DVDの新作が出ているね。「歴代シングル全曲披露!暴れ倒し GIG! [DVD]

なんかアルディアスっていうキャバクラのお姉ちゃんみたいな人がやっているバンドがでているけど、これはなに? 新作「Dazed and Delight(DVD付)」もあるらしい。いいの?

モノクロページに移って最初の記事が、オズ・ノイ。イスラエル出身の変態ギタリストだそうで。変態って言われてもなぁ。ちゃんと日本でもアルバム売っているね。「トゥイステッド・ブルーズ Vol.2」誰にもまねできないブルースって、どんなんだろう。ちょっと気になる。

さて、J&Kという私の全然知らないギターデュオ。エレクトリックの新作「J&K~Electric Stage~」とアコースティックの新作「J&K~Acoustic Stage~」を同時に出したそうで。

クラシックギタリストも出ているんだ。木村大。ポップスや映画音楽の名曲をクラシックギターで再現した新作「ONE」を出したとか。

ここまでで、ギタリストが直接出てくる記事は終わりなわけだけど、取り上げられているギタリストの平均年齢っていくつだ? 50歳を超えているんじゃないだろうか? どこが「ヤング」ギターなのかと思ってしまうのは私だけ? 私が学生時代に読んでいたときと、出てくるギタリストがほとんど変わっていないような気がする。う〜ん。

あとは歪み系のエフェクターの記事。

さて、本誌のメイン、45周年記念の記事が出てくるわけだけど、まずは「ギター英雄伝」。ヤングギターが創刊された1969年から現在までのギタリストとテクニック・機材の変遷をまとめている。これを見ていくと、私は80年代まではほとんど知っていて、90年代から怪しくなり、2000年代に入るとほとんどわからなくなる。私は1961年生まれなので、30代後半から40代に入る頃に新しい音楽を追いかけなくなったということなのかな。

この号にはDVDが2枚付いているのだけど、「The Masters 45」というDVDと連動した記事が本誌のメイン記事だろう。ヤングギターの過去のDVDに出演したギタリストから45人を選抜して、再収録している。450を越えるリックが収録されているそうで、本誌にはその譜面が掲載されている。分厚くなるわけだ。久しぶりにギターを弾きたくなるなぁ。

さてさて、ざざっとヤングギター創刊45周年記念特別増大号を見てきたけど、驚くのはなんといっても登場するギタリストの年齢の高さ。20年くらい前から登場するギタリストが変わっていないんじゃないだろうか。音楽雑誌を読むのはおっさんだけだという話は聞いてはいたけど、ここまであからさまだとは思っていなかった。びっくり。要するに読者の要求に応えていたらこうなった、ということだろうからこのままいくしかないんだろうなぁ。

考えてみれば、高校生の息子の口からも、大学生の甥っ子の口からも、ロックという言葉は出てこない。気がつかないうちに、ロックは年寄りの音楽になっていたわけだ。

ということで、そこのあなた、50代のロックなあなたにお勧めですよ。ヤングギター!(笑)




2014年6月3日火曜日

「世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法」を読んだ


世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法」を読んだので、メモ。


米国イェール大学の元助教授である著者が、イェール大学の語学教育法を用いた英語習得法を解説するというもの。この手の本にありがちな、著者が経営する学校やら著者が作った教材に誘導しておしまいというものではなく、読者が自力で独学できるように他の文献や動画・情報サイトなどを多数紹介してくれているのがいい感じだ。

著者が述べているイェール大学式学習法の中で気になった部分を下記にメモしておく。


  • 動画を使って状況を理解したうえで英語を学ぶ

  • 発音記号を読めるようにし、音の違いを身につける

  • フォニックスによるアルファベットの正しい発音を身につける

  • 母音・子音を区別しながら単語をシャドーイングする。最後はなりきって演説をシャドーイングする。録音して確認すること

  • スペルよりも先に発音を覚える

  • RとLの発音の違いではなく、RとLとラ行の発音の違いを覚える

  • 発音の確認には、iPhoneの言語設定を英語に変えた上でSiriを使ってみる

  • 単語は日本語の意味ではなく、画像のようなイメージとして覚える

  • 前置詞は画像や動画、体を動かして覚える

  • 英語の語源から語彙を増やす

  • 連語を収録したコロケーション辞書を使う

  • グラマー、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの5種類の中で最初に学ぶべきなのはグラマー

  • 文法は自分のレベルより少し下くらいのもので、英語で書かれた本で学ぶ

  • 「英語を学ぶ」のではなく「英語で学ぶ」

  • 「読む・聞く・書く」よりも「話す」を優先する。「話す」能力は他の能力を引き上げる

  • スピーキングの反応速度を上げるために会話のパターンを覚える

  • 自分が話す英語を録音して聞き返す

  • まず自己紹介を完璧にする。英語で履歴書を書く

  • 英語はロジカルに書く。英語論文の書き方を身につける

  • 習得が最も難しいのはリスニング

  • ニュースを聞きながら書き取る(ディクテーション)ことでリスニングとライティングの両方を身につける

  • 1つのものを何度も聞く(やる)500回

  • まず1冊英語の本を読む

  • わからない単語の8割は最初の20%のページに登場する

  • 英語の修行を続けていてもだめ、英語を使う、英語で学ぶ


まず最初に正しい発音を身につけ、常に状況をイメージしながら単語・フレーズを覚えていく。そのために動画(映画)を活用すべし。英語を学ぶのではなく、英語で学べ。というあたりが肝かな。


この本で私が一番役に立つと思ったのが、本文中で紹介されている教材なので、まとめてリストしておく。