2006年10月11日水曜日

TeXは悪くない

なんかよくわからん議論が続いている。

日本のフルバッチシステムで著名なTEXについて

TEX原稿を印刷業会で持てあましている件

TeX入稿についての誤解

「TeX入稿についての誤解」についての誤解

まず第一にTeXの生原稿を印刷所に渡すというのは、いくらなんでも常識はずれだと思うので論外。
次に、TeXで組版したデータをもとにしたPostscriptやPDFが出力できないというのはTeXの問題じゃない。

Postscript/PDFと一口に言っても、実はそれらにはさまざまな形式があり、さらにそれらを作成するソフトウェアによって細かい仕様の違いがあるため、Postscript/PDFだからといって一概に出力できるわけではない。

ということが問題なわけだ。

これはPostscript/PDFというデータ形式が抱える問題であって、組版ソフトであるTeXの問題ではない。
PostscriptやらPDFの問題をTeXに転嫁して、TeXを悪者扱いするのはやめてもらいたいものだ。

ちなみに私が所属しているアスキーでは、十数年前からTeXを核にしたEWB(Editors Work Bench)という独自のDTPソフトウェアを開発/保守/利用している。私自身、アスキーに入社以来十数年に渡ってEWBを使って本を作ってきたし、今現在も作っている。
もしTeXの出力を印刷所が扱えないというなら、アスキーは書籍の大半を作れなくなってしまうことになる。そんなこたぁ、ありえない。
EWBでは、TeXで組版した後、dvipsでPostscriptデータを作成して、これを印刷所に入稿している。細かいトラブルは何度か経験しているが、出力不能というような大きな問題は生じていない。

使用するフォントの問題やPostscript/PDFの問題から、素人が解決するにはハードルが高いとは思うが、解決できない問題じゃない。
「dvipsでPostscriptにした後、Acrobat DistillerでPDF/X-1aにしてください」というだけでも、かなり解決できるんじゃないかと思うが、どうだろうか?



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