2015年7月1日水曜日

The Art of Computer Programming Volume 1 Fundamental Algorithms 日本語版


2004年にアスキーから出した『The Art of Computer Programming Volume 1 Fundamental Algorithms Third Edition 日本語版』をようやく再刊できた。

この本は、アジソンウェスレイジャパンとの共同出版事業の一環として刊行したもので、上製本、本体価格9,800円と、アスキーの刊行物の中でもかなり高価なものだった。アスキーから出すことが決まった後、担当編集者がリストラにあって変わってしまったり、なんだかんだと苦労させられた本だ。刊行後に社長賞をもらったのは、いい思い出かな。

しかし、会社の収益が悪化し、このシリーズは採算が合わないと言われ、増刷ができない状態が長く続くことになる。海外でもアジソンウェスレイがピアソンに吸収合併され、アジソンウェスレイジャパンもピアソン・エデュケーションジャパンに変わった。そして2014年、ピアソン・エデュケーションが日本の書籍市場から撤退し、共同出版の契約も破棄されることが決定した。当時KADOKAWAのハイエンド書籍編集部編集長だった私は、KADOKAWAとして版権を取得し直し、シリーズを再刊することを提案したが、不採算を理由に却下され、このままThe Art of Computer Programmingは日本の書店から消え去ると思われた。

ところが世の中捨てものじゃない。捨てる神あれば拾う神あり、「嘉平、編集やめるってよ」「ASCII DWANGOスタートアップ!」の2つのエントリに書いたとおり、ドワンゴに移籍して技術書の出版を続けられることになり、最初に私が提案したのがThe Art of Computer Programmingのシリーズをアスキードワンゴから再刊することだ。ありがたいことにドワンゴの人たちは技術者で、この本の価値をわかっている人ばかりなので、すんなりと企画は通った。なにせ、上司の本棚にはThe Art of Computer Programmingの原著が並んでいるのだ!

あれから半年あまり、ようやく最初の1冊めを書店に並べることができた。これも、ドワンゴの人たちと4月から編集部に加わってくれた仲間の力のおかげだ。ありがとう!
11年前の本との違いは、上製本を並製本に変更し、大幅に価格をさげたこと。アスキーではいろいろなしがらみから高くせざるをえなかったのだが、今回は学生さんにも手がだせる価格にしようと頑張って、4,800円に抑えている。

プログラミングに関わるすべての人に、ぜひ手にとってもらいたいので、よろしくお願いいたします!

2 件のコメント:

  1. アジソン・ウェスレイ、ピアソン時代はお世話になりました。今後とも、ピアソンの翻訳をよろしくお願いします。藤村

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  2. 藤村さん、お久しぶりです。こちらこそ、よろしくお願いします。

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