2006年11月27日月曜日

第5回インターナショナルGPLv3カンファレンス

21日、22日の二日間、GPLv3のカンファレンスに参加してきた。

第5回インターナショナルGPLv3カンファレンス

参加する前は、GPLv3について法律的な議論をガンガンやる会議だと思っていたので、参加するべきかどうか迷っていたのだが、参加してみたらそういうものではなかった。ちょっと拍子抜けというか、もともとそのようなものではなかったらしい。もっと気軽にGPLv3も含めてフリーソフトウェアについて話し合う場ということだ。

下記にメモをあげておく。ただし、片耳で英語の発表を聞きつつ、片耳で同時通訳の日本語を聞くという離れ業(?)をやっていたので誤解もあるはず。上記サイトに資料もアップロードされているので、そちらを見てほしい。

Opening Remarks: "Device for Software Freedom"(g新部裕)

・g新部さんが英語で発表するのを聞くのは初めてだ。とっても新鮮。
・GPLv3.fsf.orgのサイトはZope/Ploneで作られている。
・産総研内で、自由ソフトウェア武門というのをやっている。英語では、Free Software Fiters Group?
・日本のハッカーの数は、3000〜5000ぐらい(SourceForge.jpからの推測)。
・自分の興味はアプリケーションレイヤーから始まって、どんどん下へ下へと下がっていっている。
・ハードウェアにおけるフリーソフトウェアを提案したい。
・ハードウェアにおけるハッピーハッキング!

GPLv3 and Free Software Movement in Europe(Georg Greve)

・ヨーロッパでは政府関係などでのフリーソフトウェアの採用が増えている。
・ヨーロッパで最も裕福な町の1つであるミュンヘンでもフリーソフトウェアへの移行が進んでいる。
・ミュンヘンの市長とビル・ゲイツの会話

 市長「私たちにとって、これは独立するということなんです。」
 ビル「いったい誰から独立したいのですか?」
 市長「あなたからですよ。」

・ドイツの裁判所でGPLv2(英語)が認められた。この意義は大きい。
・ヨーロッパは大きくて強力なフリーソフトウェアのコミュニティを持っている。
・FSFE(Free Software Foundation Europe)は六人を専任で、二人をパートタイムで雇っている。
・現在、GPLv3の専門家の育生をしようとしている。
・Freedom Task Force(FTF)を作った。ライセンスの教育、ライセンスの普及が目的。
・フリーソフトウェアは大きな変化の時期にきている。

GPLv3 Update: FDL, SFDL and forthcoming draft3 of GPLv3(Richard M. Stallman)

・GPLv3では国際化を進めた。多くの国の弁護士と一緒に仕事をした。
・distributionという言葉を使うのをやめ、propagete、conveyという言葉を使うようにした。
・GPLv3はApacheライセンス、Eclipseライセンスと互換性があるので、これらと統合できる。
・Tivoでは、GPLv2に従ってLinuxのソースコードが公開されているがハードウェアが変更されたカーネルの起動を許さないため、実質的にソフトウェアの変更ができなくなっている。
・Tivoのようなものを「裏切りのコンピューティング」と呼ぶ→コンピュータは普遍的にプログラム可能なマシンでなければならない。
・ある研究によるとLinuxカーネルは287の特許違反をおかしている。
・GPLv3にはMozillaライセンスをもとにした特許ライセンスが含まれている。
・GPLv3への移行期間などはない。GPLv3とGPLv2は混在して使用されるだろう。
・会場からOpen Sourceライセンスとの互換性についての質問がでるや、すかさず、
 「Open Sourceにはなんの興味も無い。私と話しがしたければFree Softwareについて語ってくれ。」
 と。Stallman節炸裂。Stallman元気だなぁ。さらに、
 「Open Sourceはソフトウェアの開発技法にすぎない。Free Softwareは社会運動だ。」
 と、いつもの主張も忘れずに。

1日目は、Stallmanの話しを聞いたところで別会場で行われたメール誕生25周年記念のEric Allmanの講演を聞く為に会場を後にした。
2日目は午前中は会社で仕事。午後に行われたパネルディスカッション2つを聞いた。以下、2日目のメモ。

GPLv3 and Free Software Activities in Japan(鵜飼文敏、 まつもとゆきひろ、 岡村久道、 鈴木裕信)

・まつもとさんのパネル
 RubyはArtistic-likeとGPLv2のデュアルライセンス。
 正直、ライセンスのことはあまり考えたくない。シンプルでわかりやすいものがよい。
 今はBSD Styleライセンスにしておけばよかったと思っている。
 DRM、ソフトウェア特許、Webサービスの問題をライセンスで解決するのは難しい。ライセンス以外の方法で解決すべきだろう。

・岡村さんのパネル(難しいので、あまりメモしなかった)
 GPLv3では、アメリカにはない著作者人格権についての配慮が必要か。
 GPLv3は大学院で著作権を教えている人間にとっても難しい。素人が理解するのは困難。

・裕信さんのパネル
 アメリカでの著作権はもともとアイデアを広く広めるために作られた。
 しかし、本来の目的を忘れ、よくない方向に変化してきている。
 Digital Millennium Copyright Act(DMCA)は大問題
 DRMの問題。第三者がコントロールしてしまうため、我々は何もできなくなってしまう。
 DRM = Tech + Law
 Digital Gianism

Free Software and Embedded System(野首貴嗣、 竹岡尚三、 佐藤嘉則、 神田雅透)

・このセッション、あまりメモしてない。唯一メモしたのが、竹岡さんの発言。
 ハリウッドの会社は、データバスからデータをリッピングされてしまうのでデータバス上を流れるデータを暗号化してほしいと言っている。



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