2015年6月25日木曜日
ブログをBloggerに移動
で、最近サーバのお守りをするのが面倒くさくなったので、既存のブログサービスに移動させることにした。どこにするか、ずいぶん迷ったけれども、結局はGoogleのBloggerに決めた。
データの移行もスムーズにできたし、よかったのだが、一つだけ問題が生じている。
以前のブログでは、エントリのURLが、http://www.kahei.org/blog/2015/06/hogehoge みたいになっていたのだが、これが、http://www.kahei.org/2015/06/hogehoge のように変更されてしまった。hogehogeの部分も、エントリによっては変更されているようだ。
以前リンクを張ってくれたものは、すべてリンク切れになってしまったわけで、申し訳ないのだが、まぁしょうがないか。
※お手数をお掛けして申し訳ないのですが、必要な方はリンクを張り直してください。よろしくお願いいたします。
2015年3月3日火曜日
誕生日のヒットソングを教えてくれるサイト
自分の誕生日のNo.1ヒットソングを教えてくれるサイトがあるというので、やってみた。
http://playback.fm/birthday-song
私の誕生日である1961年1月30日のNo.1ヒットソングは、Will You Love Me Tomorrow by The Shirellesだそうな。
自分の誕生日を検索すると、ヒットソング以外にも生まれた日の曜日と生まれてから現在までの分数を教えてくれる。
私の誕生日は月曜日で、生まれてから28,447,722分たっているそうだ。
誕生日でなくても、1900年〜2014年の好きな日付のヒットソングを教えてくれるので、ちょっと気になる日付を入力して調べてみるのもおもしろい。暇な時などにやってみるといいかも。
2015年2月26日木曜日
元・宝塚総支配人が語る「タカラヅカ」の経営戦略
『元・宝塚総支配人が語る「タカラヅカ」の経営戦略』を読んでみたのだが、なかなか興味深い内容だったので書評なんぞを。
もともと宝塚に興味はなかったし、"ベルばら"とか、女性が男性を演じる男役とか、派手な衣装・濃いメイク・大げさな演技とか、正直あまりいい印象は持っていなかった。まぁ、宝塚を実際に観たことのない男性が抱く印象としては普通だと思う。ところが、数年前からハマっている日本のシンフォニックメタルバンドLIV MOONのリードボーカルを務めてるAKANE LIVが宝塚出身(宝塚時代の芸名は神月茜)ということで、がぜん興味を持つようになった。何冊か宝塚関連の本も読んでみたのだが、本書は宝塚出身の女優さんでもファンでもない、宝塚の経営メンバーが書いているという異色の本だ。
LIV (通常盤)
AKANE LIV
さて、その宝塚とはどんなものかというと、兵庫県宝塚市に本拠地を置く、独身女性のみで構成される日本で最大規模を誇る(約400名)劇団(宝塚歌劇団)ということになる。1914年、阪急電鉄の旅客誘致を目的に宝塚新温泉の余興として始まったのが事業のスタートで、当初は歌劇団自体で利益をあげる必要はなかったとか。すでに100年を越える歴史を持ち、現在では阪急グループの収益の3本柱の一つに成長しているという。演劇は儲からないとよく聞くが、宝塚は儲かっているわけだ。本書には、儲かっている宝塚のマーケティング・経営戦略が書かれている。
以下、宝塚の戦略の肝というべき点を抜粋する。
- 創って作って売る(垂直統合システム)
事業の垂直統合というと自動車産業や家電産業で聞く言葉だが、宝塚はエンターテイメントの世界でこれを実現しているという。- 宝塚歌劇団:作品制作(企画・脚本ほか)
- 株式会社宝塚舞台:大道具・小道具・衣装作成ほか
- 阪急電鉄株式会社歌劇事業部:広報宣伝・チケット販売ほか
これらすべてが本拠地である宝塚市に集中して置かれ、事業の効率化を実現している - シロウトの神格化
宝塚音楽学校を卒業し、歌劇団に入団したばかりの生徒はまだ未完成の状態(つまりシロウト)。この未完成の生徒をファンコミュニティが支え・見守りながら、トップスターまでの長い道のりを共に成長していくプロセスを「シロウトの神格化」と呼ぶ。
宝塚には、入団した生徒がトップスターに至るまでに越えなければいけない独自のステップが設けられている。このステップをファンもよく理解しており、自分が贔屓にしている生徒がこのステップを越える・越えないというのを一喜一憂しながら、その成長と卒業までを見守ることになる。
本書の後半では、宝塚とAKB48との比較が行われているが、「シロウトの神格化」という戦略をとっている点はほぼ同じと言っていい。秋元康がAKB48を作る際に宝塚を参考にしたのは、まず間違いないと思われる。怒られるのを覚悟で言えば、宝塚の戦略を模倣して大成功を収めたのがAKB48ということになる。
「シロウトの神格化」という戦略は、近年よく聞く「ストーリーを売る」「コンテンツよりもコンテクスト」といったキーワードとも符合する。エンターテイメント以外のビジネスにも十分応用可能な戦略であるし、ほかにも興味深い内容が多く含まれているので、ぜひ一読をお勧めする。
Kindle版
元・宝塚総支配人が語る「タカラヅカ」の経営戦略 (角川oneテーマ21)
森下 信雄
元・宝塚総支配人が語る「タカラヅカ」の経営戦略 (角川oneテーマ21)
森下 信雄
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2015年2月23日月曜日
ユニケージ原論
数年前にLLカンファレンスの会場で購入したまま積ん読状態だった「ユニケージ原論」を読んだ。
アスキー・メディアワークスから出した「フルスクラッチから1日でCMSを作る シェルスクリプト高速開発手法入門」で紹介した、シェルスクリプトを使って本格的なアプリケーションを作るという開発手法の原典ともいうべき本。具体的な開発手法を詳しく知りたいと思って読んだのだが、タイトルに"原論"とあるとおり、抽象的な議論が多くてちょっと私が読みたいと思っていたものとは違っていた。
下記、章立てと簡単な内容紹介。
- 第1章 ユニケージとはなにか
ユニケージ開発手法を考案した當仲寛哲氏によるユニケージの誕生から開発手法の概要の解説。この章を読めば、ユニケージ開発手法の全体像がつかめる。 - 第2章 ユニケージは道具である
株式会社良品計画(無印良品の会社)のシステム開発にユニケージ開発手法を適用した事例紹介。ずぶの素人が短期間に企業システムの開発・保守ができるようになるというのが、なかなか刺激的。 - 第3章 ユニケージは方法論である
この章は、ちょっといろいろ微妙。読まなくていいかも。 - 第4章 ユニケージは正解である
従来のRDBを用いたシステム開発とRDBを用いないユニケージ開発との違いが解説されている部分が興味深い。 - 第5章 ユニケージはコミュニケーションである
ユニケージ開発手法のキーフレーズを元に、従来の開発手法との比較も含めてユニケージの優位性を解説している。
ユニケージ開発手法を簡単に説明するなら、
RDBに代表されるデータベースシステムを一切用いず、データをすべてテキストファイルで保持し、シェルスクリプトを使ってこれらのテキストファイルを処理することで企業システムを実現する
とでもなるだろうか。この話を初めて聞いたときは、さすがにそれは無茶だろうと思ったのだが、良品計画・東急ハンズなどの成功事例を目にすると、実はUnixが持っていたシンプルなツールと考え方ですべて実現できるんだという気持ちにさせられる。
というわけで最近シェルスクリプトづいていて、いろいろ勉強し直し中だ。20代の頃に読んで感動した「UNIXプログラミング環境
ユニケージ原論
當仲 寛哲 山崎 裕詞 熊谷 章 熊野 憲辰 木ノ下 勝郎 山科 敦之
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2015年1月4日日曜日
ASCII DWANGOスタートアップ!
昨年10月に「嘉平、編集やめるってよ」というエントリを書いてから3ヶ月が過ぎ、ようやく身の振り方が確定したのでご報告しておきます。
12月24日に正式なプレスリリースが出ましたが、私が編集長を務めていた株式会社KADOKAWA(アスキー・メディアワークスBC)ハイエンド書籍編集部の事業を株式会社ドワンゴが引き継ぎ、アスキードワンゴ編集部として事業を継続することが決まりました。
これに伴い、私は12月15日付けで株式会社KADOKAWAを退職し、株式会社ドワンゴに転籍しました。今後はアスキードワンゴ編集部編集長として、編集職に復帰することになります。10月以降、人事本部付という中途半端な状態で無為な日々を過ごしてきましたが、ようやく自分が行うべき仕事に戻れてホッとしています。
ハイエンド書籍編集部の事業継続のきっかけを作ってくれたドワンゴの清水さん、そして川上会長をはじめ事業の移転と私の転籍を実現するために尽力してくれた多くの方々に心から感謝します。ほんとうにどうもありがとうございました。また、身の振り方が決まらず鬱々としていた私を励ましてくれた皆さん、うちの会社においでよと転職を勧めてくれた皆さんにも感謝しています。私のような人間のことを気にかけてくれる人がこんなにいるのかと、大いに励まされました。
今はとにかく編集部を再建し、4月以降にはアスキードワンゴブランドの技術書を書店に並べられるよう、努力する毎日です。また、将来的には出版社ではないIT企業であるドワンゴの力を使って、今まではできなかった新たな取り組みにもチャレンジしたいと思っています。まだ入社して2週間足らずですが、ドワンゴには22年前のアスキーにも似た若さと勢いを感じます。この会社ならばきっと新しいことができると信じていますので、著者の皆様、翻訳者の皆様、いましばらく鈴木嘉平とのお付き合いをよろしくお願い致します。
また、読者の皆様、開発者のために役立つ良質な技術書を出版できるよう鋭意努力を続けていきますので、今後共どうかよろしくお願い致します。
2014年10月2日木曜日
嘉平、編集やめるってよ
タイトルはふざけていますが、ふざけた話ではありません。
10月に入って情報公開制限が解けたので、書きます。
株式会社KADOKAWAは、9月末をもってアスキーブランドの書籍を作っていたいくつかの編集部を廃止・解散しました。これに伴い、私(鈴木嘉平)が編集長を務めていたハイエンド書籍編集部も解散しました。この件について、株式会社KADOKAWAからは特にアナウンスなどは行わないということです。
誤解しないでいただきたいのですが、これはアスキーの本がなくなるということではありません。週刊アスキーもASCII.jpも存続していますし、これからもアスキーの雑誌・書籍は発売されます。また、9月までに刊行された本は今後も継続して販売されます。
ただ、これまでよりも刊行点数は少なくなるでしょうし、私が作ってきたような技術書が出版されるかどうかはわかりません。少なくとも、ハイエンド書籍編集部から10月以降に刊行するはずだった企画はすべて中止になっています。
編集者になって27年、アスキーに入社して22年、そのキャリアのほとんどをプログラマ/システムエンジニアのための雑誌・書籍の企画・編集に費やしてきました。それも今日で終わりました。今となっては、ただただ自分自身の力不足を感じるばかりです。
原稿を書いてくれた著者の皆様、翻訳をしてくれた翻訳者の皆様、そしてなにより本を買ってくれた読者の皆様、長い間ほんとうにありがとうございました。心から感謝しています。
今後、KADOKAWAという会社の中で私がどのような職につくのかまだ何も決まっていませんが、たぶん編集職を離れることになるでしょう。自分の卑小さを噛みしめるような毎日ですが、身の振り方がきまったならばこのブログで報告したいと思います。
もしもどこかで私の顔を見かけたら、声でもかけてやってください。最後にもう一度、皆様長い間ほんとうにどうもありがとうございました。
2014年9月30日火曜日
プロフェッショナルのための実践Heroku入門
すでに発売済みだが「プロフェッショナルのための 実践Heroku入門」という本を出したので、遅ればせながら紹介しておく。
この本は、日本におけるHerokuのエバンジェリストである相澤歩さんを中心に、RailsGirlsの主催者でもある万葉の鳥井雪さん、Rubyのコミッターでありベテランのライターでもあるartonさん、さらにHerokuのテクニカルサポートエンジニアである織田敬子さんを加えた4人によって執筆されたHerokuの入門書である。執筆陣からもわかるとおり、ほぼ公式といってよい内容になっている。
書評もいくつか出ていることもあり、詳しい内容については割愛するが、Herokuの概要からアプリケーション開発方法、本番環境への移行のやり方、トラブルシューティング、Herokuのアーキテクチャまでをギュッとコンパクトにまとめている。特に7章のトラブルシューティングは、実際にHerokuのオフィシャルサポートに寄せられたトラブルを元に執筆されているので役に立つこと請け合いである。また、最後の9章には、Herokuのサービスの背景になっているモダンなウェブアプリケーションを開発・運用する際に考慮する必要のあるアーキテクチャをまとめたTwelve Factor Appの翻訳が掲載されている。
さて、この本を作るにあたり、著者陣と話し合ってある手法を試している。海外のいくつかの出版社では、執筆途中の書籍をベータ版として電子書籍の形で発売し、読者のフィードバックを受けて内容を加筆・修正していくという方法が取られているが、これを日本でもやってみたのだ。
達人出版会の協力を得て、2013年5月にベータ版電子書籍を発売した。その後、2014年8月までに3回のアップデートを経て、2014年9月22日に正式版の発売となった。この間に寄せられたフィードバックを元に、加筆・修正、さらに構成の見直し等を行っている。
ベータ版の販売数が思ったほど伸びなかったとか、フィードバックを寄せてくれる読者の数が少なかったということはあったものの、実際にフィードバックを寄せてくれた読者の方々はとても熱心に細かい部分まで見てくれていて、ほんとうにありがたかった。心から感謝している。
今後日本でもこのような手法が広まるかどうかはわからないが、海外ではすでに定着しているし、有効だという手応えは感じたので、他の出版社の編集者にもぜひ採用を検討していただきたいと思う。
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